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心の健康の障害
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中嶋医院
精神科・神経科・小児科・内科
〒564-0062
吹田市垂水町2丁目4-9
TEL/FAX:06-6384-5067

 
■ 心の健康の障害 ■
人間は年代に応じてさまざまなストレスがかかってきます。これらのストレスを知り、上手に対処していかなければなりません。
幼児・児童期(乳幼児期:0~5,6歳,児童期:6~13,4歳)
思春期・青年期
中年期
老年期

幼児・児童期(乳幼児期:0~5,6歳,児童期:6~13,4歳)
 乳児では快と不快にしたがって反応することが原則ですが,幼児になると言葉を理解し,話し、周りを次第に判断できるようになります。感情も喜び,怒り,怖れなどが区別されてきます。人格形成の第一歩が始まる時期ですので,この時期の“しつけ”がその後の性格の方向づけを左右するといわれます。この時期の脳の障害は知能の発達に重大な支障となるばかりではなく,情動の障害や人格形成不全の大きな原因となります。児童期になりますと,身体と心の発達とともに、両親や家族の中から学校といったより社会性のある集団に参加することになり,社会性や理論性を身につけながら成長し,自分自身の固有な人格を形成して行きます。
この時期には発達障害の面から注目されているものとして1幼年認知症(進行性脳脂肪変性疾患)、2微細脳損傷症候群(MBD),3広汎性発達障害(自閉性障害)と特異的発達障害(学習能力障害、言語・会話の障害,運動能力障害)、4崩壊性行動障害(注意欠陥・多動障害、行為障害)があげられます。
精神障害は1神経症的習癖異常(指しゃぶり、爪噛み、自慰、チックなど)2不安障害(恐怖性障害、強迫性障害,外傷性ストレス障害(PTSD)など)、3心身症(息止め発作,喘息,周期性嘔吐、遺尿症、遺糞症など)、4学校恐怖または登校拒否、5児童躁うつ病、6児童期の総合失調症があります。
また、小児の睡眠障害として悪夢、夜驚症、夢中遊行がみられ、言葉の問題として吃音や選択緘黙があり、微細脳障害と関連しているとされる発達性読み書き障害、発達失語が見られます。
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思春期・青年期
 子供から大人への脱皮の時期で1大人らしい体つきになり、2親との距離をおき始めます。また、3自分自身へ関心が向き始め、4友だち付き合いが変化し、友人との関係に敏感になります。「自分とは何か」を問う時期で、戸惑いと不安に揺れ動きます。
この時期の心の危険信号は、1痩せることで仮そめの「自己実現」に惑わされ、拒食と過食(嘔吐を伴う)に走る、2自意識過剰になり、緊張し、視線恐怖や外食恐怖が生じる(対人恐怖)ことが上げられます。また、3悪口を言ってくる幻の声や自分を狙っているという妄想など(幻覚妄想状態)、4過剰な不潔観念と手洗いや過度の確認行為など(強迫症状)、5登校前になると腹痛や頭痛が起こる、一人で外出したらトイレが近くなったり、下痢や便秘になるなど(身体化と心身症)も注意すべきです。さらに、6何事も空しく、いらいらして暴行や自分を傷つける(空しさと怒り)、7理由なく登校を嫌うようになったり、家に閉じ籠ってしまう(不登校と引き籠り)場合も要注意の信号です。
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中 年 期
 身体的、社会的、家族的、心理的に変化の多い時期で人間関係のストレスに晒されることが多くなり、食生活の乱れから、肥りやすくなり、酒や煙草が増えることもあり、また若い世代との感覚のずれに戸惑うようになります。社会や家庭で次第に中心的役割を担い、責任を強く感じるようになりますが、後期になると、「喪失体験」といって、体力の衰え、心の張りを失い、社会的にも責任のある役割から離れることが始まる時期になります。
身体的には慢性的ストレスによる心身症すなわち、頭痛、高血圧、狭心症や心筋梗塞、消化性潰瘍、過敏性腸症候群、高血糖・糖尿病、気管支喘息、関節リウマチ、甲状腺機能亢進症、皮膚炎などがみられます。
精神的に抑うつ、不安、不適応、依存、妄想などが心の危険信号ですが、行動上ではアルコール依存、ギャンブル依存、買い物依存や暴力などが問題となってきます。
この時期には、職場の不適合が問題となります。職場のストレスは多忙と人間関係が2大ストレスですが、人間関係のストレスの対応は特に重大な課題となります。職場で1仕事のミスが目立つ、2無断欠勤、3アルコール摂取が増える、などがみられると適応が巧く行っていない徴候です。
また、働き盛りの人の自殺が増加していますが、1うつ症状、2原因不明の身体的不調、3酒量の増加、4安全や健康が維持できない、5仕事の負担の増加と失敗、6職場や家庭でのサポートが得られない、7本人にとって大切なものを失う、8重大な病気にかかる、9自殺を口走る、10自殺未遂におよぶ、などがあれば適切に対処しなければなりません。
中年期には1中年の戸惑い(生き方、価値観、人生観、職業、配偶者に対して)、2中年危機によるうつ病(生き方についての疑念による心の内的葛藤)、3危機を乗り越えて新たに活躍する(創造の病い)、4病気になる率が上がる、5喪失体験が始まる、6上昇停止症候(人生の限界に直面する)などの危機が見られます。人生の中心で長い期間ですが、充実ばかりではなく、多くの苦悩に出会う時期です。人間としての自己を知り、自然と一体同化し、自由な人間性を生みだし、次ぎに来る老年期を人生の円熟期として迎える準備をしていかねばなりません。
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老 年 期
 一般に老年になると身体的に老化が現れ、知的にも、適応力にも低下がおこります。老人を取り巻く環境はますます複雑になり、適応力の低下した老人は孤立化し、孤独感を抱き、精神的健康の維持は重大な課題となってきます。 
老年期の精神症状として、1認知症、2うつ病、3せん妄、④妄想が起こり易い症状としてあげられます。認知症の原因は多種多彩ですが、脳血管障害とアルツハイマー病が主となります。うつ病も多くみられますが、体のあちらこちらが悪いといった心気的な訴えが多く、妄想を抱きやすく、不安、焦燥と希死念慮(死んでしまいたいという考え)を抱きやすい傾向が見られます。せん妄は一種の意識の混濁ですが、錯覚や幻視、興奮や徘徊が目立ちます。また高齢者の妄想は被害妄想、心気妄想、罪業妄想などが多く、物盗られや皮膚の表面や体に寄生虫がいる、配偶者が浮気をしているなど高齢者に特異的なものがあります。
そのほか、神経症性障害や心身症も起こり易いが、これらも喪失体験などが成因であることが多いようです。
 
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